Doll 24-Poison needle




「パパ……パパ……痛い…………たすけて……」


ティーデが右足を引きずりながら、暗闇に呼び掛ける。


「ティーデね?」

暗闇から現れたのは、エリーゼだった。


「あなた、何?……なんで、パパの部屋にいるの?」


ティーデは黙ったまま、エリーゼをにらみつける。


「……Arice・Dollから聞いてますわ。手の掛かる小娘だって」
「あなた……なんなの?」
「エリーゼ。Arice・Dollの一番の──」
「だまれ──!」


ティーデは嫉妬と怒りで我を失い、がむしゃらにエリーゼ目掛けて攻撃を繰り出す。


「あなたも、わたくしも本調子ではないでしょう? 無駄な事はやめましょう?」
「だまれ……だまれだまれだまれぇ──!!」


溜め息一つ、エリーゼはティーデを睨んだ。



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