Doll 24-Poison needle




広い部屋の中心。
メイド服で無心で踊る、カブラ。


「面白いな、カブラ!」


クロノがニヤリと笑ってカブラを見つめる。


「つまらん」


カブラは結んでいた髪をほどくと、クロノを睨む。


「いや、面白いよ。エリーゼが絡むと特にな。それに、似合ってるよ。ロ・ン・グ、メイド服」
「なッ!」


顔を赤らめるカブラを見て、クロノは微笑む。
しかし、その表情は一瞬で冷ややかな眼差しへと変わる。


「……それより、いいのか?」
「何がだ?」
「エリーゼの事だよ」
「……自分に二言はない」
「あっそ。なら続けてよ。アタイの前で」
「趣味悪いな」
「折角だ、乱れてよ」
「断る!」
「あははッ! だろうね、アンタらしいよ」


クロノはお腹を抱えて大笑いする。
その様子をゲッカは遠くから見つめていた──



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