Doll 24-Poison needle




「……ッハァ!……」


自らの腕を傷つけ、なんとか立ち上がる。
身体中が何かを感じ、訴えている──


「二人共、何て殺気だ……Arice・Dollを前にしているのか?」


……違うな。
あいつの気配は感じない。
ならば何故、殺気を感じる──?

身体中が訴える、“急げ”と。


「ラセン……タスク……一体何を……」


気配を追い、走り続けても二人の姿はない。
こめかみを汗が伝い落ちる。
同時に張り詰めていた糸が切れる──


「クソ……ッ! 何処だ!……何処にいる、タスク……ラセン──!」


焦り、動揺、深呼吸を繰り返しながら足を走らせる。
木々の間を走り抜け、セツナは足を止めた。


「……タスクの気配が消えた?……一体、何が起きている?」


嫌な予感しかしない。
一刻も早く、ラセンを見付けねば──

焦りと共に、無くした筈の“モノ”が沸々と沸き上がってくる。
消そうとすればするほど、溢れ出ようとする。

何故だ……
冷静になれ、セツナ──
自分に言い聞かせ、深く深呼吸……


「ぬぅわぁぁぁあああああ──!!!」



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