Doll 23-Clock




「うわ……萎える。てか、萎えた」
「うむ、同感だ」


フリフリのメイド服を着たカブラ。
次第に彼の体はワナワナと震えだす。


「き、貴様がこれを着ろと──」
「アタイ、今まで誰にでも似合うと思ってたけど……うわ……」
「脛毛、剃ってみるか」
「やめろ、ゲッカ!  自分は心は失おうとも、男まで捨てるつもりはない!」
「これは男を失うわけではない。心を失う為の一つの儀式。クロノを満たさねば先に進めぬぞ」


その言葉にカブラは息を呑む。


「毛はどーでもいい。とりあえず、ミニはやめてロングに変えてみるか。変身を遂げたら、どう可愛がってやろうかね」
「おい、クロノ。誤解を産むような言い方、まだ治ってないのか」
「五月蝿ぇな。一生治すつもりないんだよ」


クロノはニヤリと笑った。




.
8/12ページ
スキ