Doll 23-Clock
沈黙という闇がタスクとラセンを包み込む──
「リコリス……」
「え?」
「もう時間がねェんだよ、オレっち達には!」
タスクは悲痛な声で叫んで言った。
「……リコリスに何があったっての?」
「はは、大体のことくらい想像ついてんだろ?」
溜め息一つ、ラセンは言う。
「……あたしに何をしろっての?」
「簡単なことだよ」
タスクはラセンに耳打ちする。
「……んな…………ふざけ……んなぁーっ!」
「冗談だって」
「あんたの今までの言動考えりゃ、冗談には聞こえない」
「そう言うなよ。ただ、反応が見たかっただけなんだからさ」
「どこまで人をおちょくるつもり?」
「怒るなって。はい、コレ」
タスクは躊躇うことなく、ラセンにAlice Glassを渡した。
「……後は頼んだぜ、ラセン。オレっち達はアイツが来る前に消える」
「おい!……本気かよ……」
取り残されたラセンは、震える手でGlassを抱き締める。
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