Doll 22-Shadow
林の中を駆け抜ける、ラセン。
風で木々が揺れる。
「……誰?」
足を止め、振り向くラセン。
「……久しぶり、なのかな」
「…………タスク!」
身構える、ラセン。
「あの時は仕方なかったんだ。オレっちだってホントは……」
「おい、顔が追いついてないけど」
「Arice・Dollと長く居たんだ、感情を押し殺してさ」
タスクの口元が微かに緩む。
「感情を押し殺すだって? アンタ、そんな器用じゃないよ」
「何が分かるって?」
「リコリスが全て、でしょ?」
「…………そうだよ、オレっちにはリコリスしかいない!」
「何よ、いきなり……」
タスクは答える代わりにAlice Glassを差し出した。
「どういうつもり?」
「これが……リコリスとオレっちの答えだよ」
ラセンは訝しげにタスクを見た。
Doll 22-Shadow....END....
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