Doll 22-Shadow




傷だらけのドラージュとエリーゼ。
二人はそれぞれ自身を支えながら、お互いを睨み付ける。


「……ホント加減ねーのな」
「あなたもレディに対して、手加減する気すら」
「ボクもレディだったからな、あるわけねーだろ!  はははっ」
「……ふふっ、こんな形で出会うなんて。もしかしたら気があったかもしれ──」
「ティー」
「なんですの?」
「ティーデには会ったのか?」


ドラージュの顔付きが、声のトーンが変わる。


「……今は時期じゃない、と」
「そっか。お前さ、アイツとは犬猿の仲になりそーだな 」
「…………どうかしらね」


エリーゼは寂しげに笑った。


「お前……」
「次はこうはいかないわ」
「受けてたってやるよ、そんくらいな」
「……本当に聞いてないわ、こんなに手こずるなんて」
「つまんねーことは、したくねーもん。そこはティーと同じかもな」


ニマっと、ドラージュは笑った。



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