Doll 22-Shadow




恋人になった実感はあまりなくて。
でも幸せばかり溢れてきて。
授業中も空回り。

漸くの昼休み。
屋上へ行くと、あかに染まった木々がふと目に留まる。

もうすぐ冬がくる。
この冬を越えたら、リクも高等部へ進学。
同じ制服を来て一緒に学校へ行く。

そんな当たり前な幸せが待ってる──


「随分、間抜けな顔してんじゃねェかの」
「ハルク……ほへ~」
「急にニヤケるな!……気色悪りィ」
「わ、悪かったわね!」
「幸せなのは別にいいけど、油断は──」


ドッゴーン──!!
何かが激しく崩れ落ちる音と共に閃光を放つ。


「何?」
「工事現場近くだな」
「もしかしたら……」
「単なる崩落ならまだいいが……Arice・Dollとなると──」
「ハルク、行こう!」
「あぁ。嫌な予感がするぜ……」



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