Doll 22-Shadow




闇の中、どこかの国の唄のようなものが響き渡る。

明るいトーン、どこか寂しげな歌詞──
印象的なのは……

“裏切りは人を壊す、崩れる姿は人形のよう”


「何の歌?」
「ティーデは覚えていない?」
「……うん」
「とてもいい歌なんだ。儚くて……絶望感があってね」
「パパ……機嫌いい」
「ふふふ、今日は満月だからね」
「……満月、嫌いじゃなかった?」
「昔の話だよ、昔のね」


Arice・Dollの闇が満月を覆い隠す。



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