Doll 22-Shadow




「姉さんってば……ふふっ」
「さっきから何よ、もう」
「血相変えて走ってきて……何かと思えばさ、ふふっ…………一緒に帰ろうって……面白すぎるよ」
「早く忘れてよ!……恥ずかしいんだから」
「すごく……可愛かったよ」
「……っ…………バカ」


リクの笑いを必死に堪える姿。
茜色に染まった空、飛んでいく鳥、風が運んでくる花のかおり──
全てがとても眩しく感じる。

深呼吸1つ、私は……口を開く。
今なら言える気がして。


「あのね、リク……………………私もリクが好き……」


リクは何も言わずに聞いてくれた。
そして、“好き”の言葉に答えるように抱き締めてくれた。

私……今、すごく幸せだ──



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