Doll 22-Shadow
中等部へ行くと、直ぐにリクを見付けることが出来た。
リクは友達に囲まれ、談笑していた。
──リクもまた私にすぐ気付いた。
「姉さん? そんなに慌てて、どうし──」
「リク……一緒に……帰ろう」
リクは吹き出して笑う。
リクの友達は大笑い。
響く笑い声に我に返り、急に恥ずかしくなる。
「あ、ううん。違うの──」
「姉さん、一緒に帰ろう」
リクの言葉は笑い声を止め、恥ずかしさから救ってくれた。
「お姉さんと仲良くて羨ましい」
「前とは全然違うのな」
「赤の他人が家族になって、そんなすぐに打ち解けられないよ」
リクが吹き出しながら言った。
「そりゃそうだ」
「けど変わるもんだな」
「まあね。さてと、夕飯の買い物もあるから行くよ。また、明日」
リクは友達に挨拶を済ませると歩き出した。
その背中を私は追いかける。
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