Doll 22-Shadow
窓を開けて、夜空を仰ぎ見る。
するとハルクがいた。
彼は私がいることに気付かないくらい集中していた。
暫くしてハルクは静かに手を開く。
と、掌から剣が現れる。
「それ……前に消えたんじゃ……」
私の声にハルクが驚く。
「……身体中が訴えてた。コイツを……この剣を使う日が近いと、な」
「久しぶりに見たなぁ、その剣……」
「普段からポンポン出せねェよ」
「……そっか」
沈黙の中、生暖かい風がほほを撫でる。
「……告白」
「は?」
「告白されたの」
言うつもりなんてなかったのに、言葉が勝手に出た。
「……リク、か」
「ち、違うよ」
バカにされるって分かってたのに──
「付き合えば?」
……信じられない言葉がハルクから出た。
「え……いいの?」
「お前も好きなんだろ?」
「…………馬鹿にされると思ってた」
そもそも私、なんでハルクにこんな話……してるんだろう……
「あぁ、馬鹿とは思ってる。けど、あんま時間ねェしな」
その言葉と共にハルクは夜の闇へと消えていった。
「時間がないって……どういうこと?」
冷たい風が私の頬を撫でた。
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