Doll 22-Shadow




「ご馳走さま。すごく美味しかったよ」


リクは茶碗とお箸を置いて言った。


「良かった」
「姉さん、返事──」
「ただいま~」


リクの言葉はパパの声に掻き消された。


「私、宿題やらなきゃ」


パパと入れ違いで私は逃げるようにリビングを出た。


「……避けられてる、のか?」
「ん?  何だ、アリスと喧嘩か?  珍しい」
「あ、いえ……謝ってきます」


そう言って、リクもリビングを出ていった。



.
10/29ページ
スキ