Doll 2-Words that I wanted to convey
「ただいま」
私は家に入るなり、リクの部屋をノックした。
やっぱり返事は無く、部屋に向う。
「…………はあ……」
私は、ベッドに寝転がって頭を冷やす。
さっきの私は何だったんだろう……
リクの事で頭がいっぱいで……
シリアを思い出してしまう……
「恋は盲目……っていうアレなのかな……」
ふと、ハルクに抱き締められた時の感触が蘇る。
制服越しだけど、がっちりとしてた。
手も大きくて……
目は──
「……なにを考えてるんだろう私……」
でも、嫌……じゃなかった……?
私は首を横に振る。
と、鞄に入っているケータイ電話が目に入った。
「……クラリスに電話しよう……」
私はケータイ電話を手に取って、番号を押した。
Trrrr……
コール音だけが響き渡る。
結局、クラリスは出てくれなかった。
メールも何通か送ったけど、同じだった。
留守番電話に伝言を残す事も出来たけれど、それは止めた。
どんな夜にも朝は、やってくる……
「はあ……」
私は一睡も出来ずに朝を迎えた。
不思議と眠くも無かったが、食欲も無かった。
.