Doll 21- continuous rain
翌日。
普段通りに授業を終えた放課後、私は図書館に向かった。
中へ入ると自然と足が2階へ向かう。
そこは初めて足を踏み入れる場所。
案内図を見るより先に、ふとあるコーナーへと足が勝手に向かう。
「辞書のコーナーって……こんなとこにあるわけ──」
“ない”
と、思ったのに。
「Doll's……」
辞書と辞書の間にボロボロの本が4冊挟まっていた。
似ているけど、全部違うのはなんとなく分かる。
「どれなのかな」
右端にあった本に自然と手が向かう。
「わ……全部、見たことない英語……」
ほんのり感じる、すきま風。
本のページが風でめくれる──
と、本から悲しみが私の中へ流れ込んでくる──
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