Doll 21- continuous rain



「Doll's……か」
「また盗み聞き!?」
「たまたま聞こえた」
「嘘。本当に趣味悪い」
「本、見付けたらリクに渡す前にオレに見せろよ」
「知ってるの?」
「…………まぁな。けどありっこねェ……」
「どういうこ──」


がチャリとドアが開いた。
ハルクは慌てて窓から外に出る。


「あら、一人なの?  てっきりリクと一瞬だとばかり」
「ママ、おかえり。さっきまで一緒だったよ。今は電話」
「ゴメンなさいね、邪魔しちゃったかしら」
「友達だから、全然! あ、私も部屋戻るね」


部屋を出ようとした時、ママの口から信じられない言葉が出た。


「さっき、ラセンちゃんのお兄さんと……誰だったかしら?……ううん、初めて見る人? 見かけたのよ」
「セツナ!? どこで?」
「スーパーからの近道の公園よ」
「ちょっと行ってくる!」
「え? こんな時間に一人で?」
「大丈夫!  すぐ戻るから!」


彼にも言いたいこと、山ほどある。
でも、何よりも伝えなきゃいけないのは……ラセンのこと──



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