Doll 21- continuous rain
「ここは……?」
セツナが目を開くと、森の中だった。
クロノ達のいた形跡は何一つない。
「夢……だったのか?」
一歩踏み出すと、脚に力が入らず倒れてしまう。
「うぐ……ッ」
起き上がろうと必死に土を掴む。
その左手に印された刻印に気が付く、セツナ。
刻印は十字架に月が磔にされているような……クロノとゲッカを連想させるものだった。
「力が入らないのではなく、手に入れた力があまりに膨大……だとでもいうのか?」
ニヤリとほくそ笑むセツナ。
そのこめかみを汗が伝い落ちる。
「……面白い……はは…………はっはははは!!」
力を手に入れたセツナを祝福するかのように雨音が近付く。