Doll 21- continuous rain
「暑い……サウナか?」
セツナはクロノに呼ばれ、小さな部屋へやってきた。
「相性が悪けりゃ、命は今日で終わる」
クロノはいつになく真剣な眼差しで言った。
「何の事だ?」
「良けりゃ、終わりは自分で選べる」
「…………時間がないらしいな」
「ゲッカに聞いたのか」
「クロノ、お前……病か何か──」
「誰がアタイのだって?」
「まさか……俺……なのか?」
「戦う者は常に死と隣合わせだからな」
「……やはり変わった女だ」
「普通じゃつまんねーよ」
「まあな」
「しっかし、いい身体してんな」
クロノはまじまじとセツナを見る。
「なっ……さっさと用事を済ませろ」
「いいじゃねーの、減るもんじゃないんだし」
「減る!!」
「儀式前にちょい楽しむのも有り、か」
「無しだ!!」
「ちぇ、堅苦しいヤツ」
そう言ったクロノも、またいつになく真剣な眼差しだった。
「これより最終段階に入る!……セツナ、また会おうな」
「……何を言っている?」
「相性はいいらしい。お前はかなり強くなるぞ?」
「どういうことだ? 俺は修行しに来た。だが、それらしきことは──」
「セツナ、お前はクロノとの相性を磨いていたんだよ。それが修行だ」
「どういう意味だ、ゲッカ?」
「じきに分かる」
「じゃーな、セツナ!!」
クロノの言葉と共に辺りが光に包まれる。
セツナはその光を受け入れるように瞳を閉じた。
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