Doll 21- continuous rain




1時間前──

自室で天井を見つめたまま、放心状態のリゼル。
そこに緑色の眩い光が差し込む。


「なんつー……タイミングなんだよ! 今度は逃がさね━━」
「落ち着いて。あたしは、やつらじゃない」
「ヨイチ……? いや、テメーは──」
「リンネだよ……約束、今度はあたしが果たす番」


光の中から、大きな懐中時計を抱えたリンネが現れる。


「それってつまり──」
「その時が来たってこと」
「お前……いいのか?」
「うん……今度はあたしが望んだことだから」


リンネの姿がアサヒに……そして、ヨイチへと変わっていく。


「某から一つ、アドバイスくれたるわ」
「何のだよ」
「女には優しくせなよ」
「んな……よ、余計なお世話だ!」


と、ヨイチに殴りかかる。


「あっはっはっ! そんだけ元気があれば心配いらんな」
「何だよ、そりゃ」
「……アリスのこと……頼むな」
「言われるまでもねーんだよ。とっとと逝きやがれ」


一笑いすると、ヨイチは緑色の光と共にリゼルの中へと消えた。


「頼む、か…………この俺にか? ははッ、笑っちまうぜ……」


リゼルの乾いた笑い声が木霊する──



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