Doll 20- Words of knife




「ん……」

目が覚めると私はベッドの上にいた。
体を起こすと、隣にはシャツが乱れているハルクがいた。


「え……」


恐る恐る自分の服を見る。


「!?……い、いやーッ!!」


乱れてる服に条件反射でハルクを叩いてしまった。


「ってー!!!  何しやが──」
「何も……なかったよね?」
「するかよ。色気もろくにねぇ奴に欲情なんかするかよ」
「……最低ッ!!」


バチン!!!
ハルクの頬を打つ音が響き渡る。


「それで、力は戻ったの?」
「多分な。やってみない事には分かんねぇけど」
「でもリゼルにも力が……」
「心配いらねぇだろ。リゼルだぜ?」
「だから、心配──」
「アリス!  大変よ!!」
「マ、ママ!?」


ママの声にハルクは一瞬で姿を消した。
と、いうか布団に潜った。


「ママ、どうしたの?」
「リクが……リクが帰ってきたのよ!」
「え──?」


“リク”だったら嬉しいけど。
きっと彼はリクじゃない──
一体、何を考えているの?


「姉さん、ただいま」


微笑む彼は、私のよく知る“リク”だった。
本当に──?






Doll 20- Words of knife....END....
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