Doll 20- Words of knife
朧月をぼんやり見上げる、セツナ。
「単刀直入に聞くが、お前はシスコンなのか?」
「ぬぁッ!? いきなり何をッ」
「隠す必要はない」
「勘違いするな、ゲッカ。妹は大切な存在だ。しかし、それ以上でも以下でもない」
そう言ったセツナの表情(かお)は清々しいものだった。
「そうか」
「取り込み中悪いな」
「クロノ?」
「セツナ、今すぐ素っ裸で来い」
「……はい?」
クロノはニヤリと微笑む。
「拒否権はねーよな?」
「…………分かった」
「固まんなって。悪いようにはしないさ」
「……ついに来たのか、クロノ」
「ああ、ヨイチの気配も消えた」
「そうか……」
クロノとセツナは薄暗い部屋へと消えていく。
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