Doll 20- Words of knife
街全体が見渡せるタワーの頂上。
ラセンは一人、佇んでいた。
「……もう! どこまで行ったのよ!」
セツナ……兄貴の気をずっと追えない。
胸騒ぎがなりやまない……
「大丈夫、兄貴は強いんだ。あたしなんかより、ずっと……」
今まで、こんなに離れたことなんてなかった。
兄妹の絆ってやつなのかな。
…………兄妹、か。
兄貴の事が……頭から離れない。
「……アリス、心配してっかなー。って、ハルクじゃないのかよ!」
「兄貴…………セツナ……………会いたいよ、兄貴ぃ──」
あたしの中で何かが渦巻いている。
何かが動き出した気がした──
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