Doll 20- Words of knife
「んで……思い通りにいかねーんだよ! クソッ」
思い切り壁を殴る、リゼル。
「あら……そんなに苛立っちゃって……可愛い」
「テメェは──」
「ティーデ」
「いいとこに来たじゃねぇか」
リゼルは指をポキポキと鳴らしながらティーデに歩み寄る。
「ドラージュ……ボコボコだけじゃ……物足りなかった?……ふふふ」
「ちッ」
「……なんだ……やらないの」
「気が変わったんだよ! とっとと失せろ!」
「……どうして?」
「俺が知るか!!」
「ボクと同じじゃねーかよ」
空から、ふわりとドラージュが舞い降りた。
「テメェ、いつの間に!」
「あの程度でボクがくたばるとでも? ハハハっ!」
「ドラも……同じ? ねえ……どう言うこと?」
「お前には一生、分からねぇーって」
リゼルとドラージュの声がハモった。
「オカマ野郎! 真似すんじゃねぇ!」
「はぁ? テメーだろ!」
「本当に……わけ分かんない……」
静かに陰風が吹く。
「……パパが……呼んでる……ドラ」
「……チッ。命拾いしたな、マリモ野郎!」
「はぁ? 今度は手加減しねぇからな」
リゼルの蹴りをかわすように二人は消えた。
「……はぁ…………って、ホントになんなんだよ、俺は!」
叫ぶと同時に壁を蹴る。
「…………ってぇな……」
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