Doll 20- Words of knife




体育館倉庫──


「あんのマリモ野郎……後ろからなんて卑怯じゃねーかよ」
「ぷぷっ、ドラってば情けないったら……」


ロープで何十巻きにもされ、吊るされているドラージュ。
顔から、身体中ボロボロだ。
その姿をティーデはクスクス笑いながら楽しんでいる。


「仕方ねーだろ! 人間の気配、分かりにくいっての知ってんだろ」
「油断しすぎなだけ……」
「そ、そんなワケね──」
「相手は……ただの人間なのに」
「……ただの、人間なぁ……」
「いい気味。ドラより強いんだね、彼」


ティーデは、うっとりしながらドラージュを見つめる。


「あ、助ける……?」
「消えろ」
「……好意は受けなきゃ……パパに言われたでしょ?」
「好意だ?  笑わせんなよ」
「フフフ……勝手にしたら」


ティーデはドラージュを睨み付けて消えた。


「あー……だりッ」


そう言うと、スルリとロープから抜けた。


「あー……頭に血が上った。けどま、スッキリしたぜ」


指をポキポキ鳴らして、ドラージュは消えた。



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