Doll 20- Words of knife
「タスクさん、最近見ないわねぇ」
「か、帰ったの! 国に……ママ達によろしくって言ってたよ」
「そうなの? 残念ね」
「ラセンちゃんもいなくなって、何だか静かね……」
「……そう……だね」
出会いが唐突なら、別れも唐突……
裏切りは深い爪痕を残し、仲間は言葉を残さずに。
もうこれ以上は何も起きないでほしい。
でも……少なくともタスクさんとだけは無理なんだろうな。
私自身も……やっぱり簡単には許せないよ……
「掃除しておかなきゃね。いつあの子が帰ってくるかも分からないし」
「わ、私が片付けたよ」
咄嗟に出た嘘だった。
壊れた写真立てが頭を過る。
「ありがとう、アリス」
「う、ううん……」
「リクも……早く見付かると──」
「パパ、ママ。今夜、ハルク達が来るって!」
これも咄嗟の嘘。
昨日の出来事が言わせたのかもしれない。
今は……リクの事を考えたくない……
“また”思い出せない感情に襲われるのが、とても怖くて。
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