Doll 19-First Love
「Glass手に入れてもそのザマですの?」
「覚醒の第一声がそれか」
露出の高いドレスを来た背の低い赤黒い髪の女がArice・Dollの背後から現れ、彼を包み込むように抱き締める。
「質問に答なさいって」
「……時間はかかるんだ。それに“心-イノチ-”も、な」
「そんなことだと思ったわ……使えない二人、どうして分裂したのかしらね」
「不具合が起きたんだろう」
「ちゃんと融合できますの?」
「多分、な。時間はかかるだろうが、君みたいにね」
「重要人物は後から、言うじゃありませんか」
「……重要、ねぇ」
女は頬に添えられたArice・Dollの手を払いのけ、唇を奪う。
「わたくしのことはいいのよ。それより──」
「あの二人は喧嘩するほど、なんとやらだ」
「本当にそうかしら? わたくしなら……」
「それ以上は言うな」
「何故です?」
「美人が台無しだ」
そう言って、Arice・Dollは女にキスをした。
「君はまだ動かなくていい。あいつに行かせるからな……ふはは!」
Alice Glassに真っ赤な血を注ぎ、その上に捕り立てと言わんばかりの“心-イノチ-”を乗せた。
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