Doll 19-First Love
「アリス、はよーさん」
「きゃ……っ」
学校に着いた途端、ドラージュが抱き付いてきた。
『離れろ』
と、直ぐ様ハルクとリゼルによって引き離される。
「何だよ、オマケつきか。邪魔、邪魔」
「オマケ? ふざけん──」
「デートしよぜ、アリス」
思いもよらぬドラージュの発言に私達は言葉を失う。
「ド・ストレートなトラップだな」
「誰が引っ掛かるんだァ?」
「罠でも何でもねーよ。遊園地? 映画? それとも……」
話しながらドラージュは私の腰に手を回す。
振り払おうとするも、手が震える。
殺意を感じないことが逆に怖い。
「いい加減にしろよ」
「力を失ったヤツにボクが倒せるのか? はははっ」
「……っ」
「俺なら倒せるぜ、テメェくらいな」
「ミドリ頭、お前が? はははっ、笑わせんなって」
「やってみっか?」
リゼルが微笑むと同時にドラージュは、殺気を放った。
ドラージュが本気なのは私ですら気付く。
「邪魔すんなら消す。出来ればアリスに血を見せたくねーんだけどな」
言い終わるや否やドラージュはリゼルに爪を立て斬りかかる。
「傷つけると私……許さない」
声と共にティーデがリゼルを庇うように現れた。
その腕には眠るようにフラップもいる。
「どけよ、ティーデ」
「……いや」
「壊すぞ、フラップもろとも」
「壊すわ……この女」
ティーデは一瞬で私に近付き、フラップを突き付けた。
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