Doll 19-First Love





「ちょお、ソコ汚れてんぞ」

クロノが足の裏についた埃を振り払いながら言った。
ムッとするも無言で床を拭くセツナ。

彼は露出度の高いメイド服を着せられていた。
そう、好んで着ているわけではない。
あくまでクロノの好みなのだ。


「セツナ。返事は?」

と、頭の上に跨がる。
そして、くいっと顎を鞭で持ち上げ唇を近付ける。

「そのへんにしたらどうだ」
「調教の邪魔すんな。お仕置きされてーか、ゲッカ」
「まだ新入りだ」
「新品も中古も関係ないんだよ、アタイには」
「……キズモノにする気じゃないだろうな」

ゲッカの言葉にセツナは一瞬、動揺した。

「言うね。けど、ま……それはコイツ次第だね」

セツナに蹴りを顔面に一発、クロノはゲッカの肩の上へと移動する。

「隙、見せんな。掃除ひとつ、修行と思え」
「……様子見だ」

セツナは小さな声で吐き捨てると、雑巾を手に取った。

「……忠誠心も中々のようだな」
「なきゃアタイは拾わないんだよ」
「だが私には敵わん」
「言うようになったね、犬のくせに」
「犬、だからだ。主に忠誠心を見せるのは……な」

言いながらゲッカは、クロノの手の甲に口付け……唇へと──

「調子にのんじゃねぇ!」

しかし、返り討ちにあうのだった。



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