Doll 18-Puzzle piece which disappeared




朝食に席に着く。
パパは休日ということで珍しくまだ寝ている。
リゼルとアサヒさんとで席は埋まった。
賑やかなのに物足りなさを感じる。


「アリス。ラセンちゃんと喧嘩でもしたの?」


朝食の用意を終えてママが言った。


「してないけど……」


物足りなさの理由はラセンだった。


「お世話になりましたって、さっき」
「聞いてない! 私、探して──」
「ほっとけよ。アイツはそういうヤツなんだよ」
「どうして?  恋人でしょ!」
「だから分かるんだよ」
「もういい!  私が行──」
「行くなよ、アリス」


リゼルに腕を掴まれる。
その手を振り払うと、アサヒさんが私の腕を掴んだ。


「みんな……どうして止めるの? ラセン、いなくなっちゃうじゃない!」
「落ち着きぃや」
「なァ、アリス。本当にラセンって女の為なのか?」
「オレの為なら余計なお世話なんだよ」
「ラセンの為……だよ?」


言いながら頭の中が混乱する。
どうしてラセンを追い掛けることがハルクの為になるのだろう……
分からない──



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