「いい加減に離れろ！」
「あー……アカンわ。出よる……」
「で、出るってまさか……」
「そのまさかやん」


ハルクは思いきりヨイチを蹴飛ばした……はずだったのだが。


「ほんまに弱いわぁ。それがたまらへんのやけど」
「な……ッ！ お前、声……それに胸……」


一瞬で“女”らしくなったヨイチに動揺するハルク。


「某に惚れたん？」
「ふざけん──」
「真面目やで」
「ちょ……ヨイチ──」
「某はアサヒやでぇ」


そう言って、アサヒはハルクの頬を両手で包み込む。


「……はい？」
「心配せぇへんでも、某は女やんなァ」
「は？　 いや、さっきまでは……」


混乱する、ハルク。


「せやねぇ、ヨイチは男や」
「わっけ分かんねェ……」
「ハルクやっけ？」
「な、何だよ」
「力、取り戻したいんやんなァ？」
「あ、あぁ」
「某が教えたりましょか？」


アサヒは一気にハルクと距離を縮める。


「無料（タダ）とはいきまへんけどなァ」



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