Doll 15ーTell the end and an opening at time
「かはっ……」
──吐血。
「リン──」
「だい……じ……ぶ……時間が……戻っ……だけ」
「喋らないで! 今、“心ーイノチー”を──」
リンネは小さく首を横に振る。
分かってる……
私だって分かってるよ!
体から切り離された“心ーイノチー”は戻らないって。
でも認めたくなんかない……
失いたくないよ──
「ラセン……セツナ……ハル……ク……楽しかっ……たぁ……」
リンネは目を閉じて、今までを思い返すかのように呟いた。
「……リス……」
「何?」
涙を一生懸命、笑顔に変える。
それでも溢れ出る感情は止められず雫となった。
「また……遊んであげ……から…………泣かないでよ……」
「うん、約束……だよ──」
指切りを交わした時には、既に指は冷たかった。
彼女の時が今にも終わろうとしている。
「さいご……お願いが──」
リンネの最期の願いは聞く事が出来なかった。
「材料、その2がアリス」
そう、タスクさんが痺れを切らす。
リンネの“心ーイノチー”に私の血を与えた。
すると“心ーイノチー”は輝きを放ち、体は抜け殻となり光の粒となり瞬く間に消えていく。
「リンネ……」
「アリスも消えとく?」
目の前にタスクさんの手があった。
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