Doll 15ーTell the end and an opening at time
「ナルホド、ね」
と、リンネを乱暴に床に叩き付ける。
「うぐ……っ」
「材料はあってんじゃん。要は順番」
「リンネ!」
リコリスさんの指に噛みつき、口の自由を取り戻した。
彼女は痛みを感じるのか指を庇う。
「アリス……」
リコリスさんを傷付けた事にタスクさんは殺気立つ。
すかさず私は後ろから彼女を捕らえる。
「ねぇ、どういうつもり?」
「リンネから手を離して」
「それって、命令?」
「……取引です」
リンネは少しずつ“普通の子供”になっていた。
タスクさんだって知ってるはずなのに……
「アリスも探してたんだよね、Glass」
「Glassって……」
「Alice Glass」
「え──?」
リンネの背中にタスクさんの手が触れる。
「うぁぁーっ」
「な……っ」
彼は、何の躊躇いもなくリンネの“心ーイノチー”を取り出す。
思わずリコリスさんを掴む手に力が入る。
そして、タスクさんはリンネをボロ雑巾のように投げ捨てた。
……躊躇い一つ無い。
「リンネぇぇえええー!!」
私は駆け寄って、リンネを抱き締める。
「泣かないでよ、アリス」
「話せる……の?」
「引き抜かれる寸前、少しだけ時間を止めちゃった」
リンネは幸せそうに笑っていた。
何で……笑っているの?
時間を止めても、痛みはあるんでしょ?
なのに……
「泣き虫」
「え?」
「また、ハルクに言われるよ」
「何だ……知ってたんだ」
「あたし、ハルクの一部だもん」
耳を疑った。
リンネがハルクの一部って、どういう事──?
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