Doll 15ーTell the end and an opening at time
“カ~ノジョ。何、探してんの?”
出会いは図書室だった。
最初は怖い印象で、本当は違うって気付いたんだよ。
“ハルクに言えない事、オレっちなら聞いてあげられるよ”
優しい胸を借りて何度も泣いた。
何度も……助けてくれたじゃない。
優しいタスクさんは、全部偽りだったの──?
「そんなに信用されてたんだ。な~んか、やりづらいなァ……なんて、言うと思った?」
タスクさんの代わりにリコリスさんが私を拘束する。
そして、彼はリンネに近付く。
「ねぇ、アリス。ケインって覚えてる?」
「それって……」
犬のダイゴを連れていた……あの男の子のこと、だよね?
「どうして今、その話が──」
「アレ、オレっちが仕向けたんだよね」
“可哀相に……イタくて、イタくてたまらないよね?……助けてあげようか?”
「事故も、力も……あぁ、トドメもオレっちか」
「そん……な──」
「嘘……ですよね、タスクさん?」
ハルクが鳩尾を押さえながら顔を上げる。
「シリアつったっけ? アイツも──」
「その時からArice・Dollと手を組んでいたんですか?」
「いや。もっと、前……だね」
「どうして……ですか!」
「リコリスが好きでたまらないからだ」
と、ハルクの髪を鷲掴みする。
「アレさえあれば救える。言ったんだよ、アイツがね」
「ぐっ……」
「やめろ、タスク!」
リンネが二人の中に割って入る。
「ヘェ、逃げないんだ?……それとも状況が分かってないの、かな?」
「やめて!」
リコリスさんの手を振り切って、リンネを庇うように抱き締める。
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