Doll 14ーRipe fruit and spider line
「ままごと格闘ごっこ」
自分の好きな遊びと、セツナから教わった遊びを混ぜたものだってリンネが言った。
「センス悪。どちらかにしなよ」
ラセンはそう言いながらも嬉しそうだった。
「イヤよ。どちらかにしたら、アリスとラセンのどちらかは遊ばないから」
「欲張りって言われるぞ」
「さっきまで泣いてたクセに」
「お前なぁ……」
「ちょっと、二人共」
私は睨み合う二人を宥める。
「ケンカするほど子供じゃないから」
そう言うと、リンネはままごと道具を広げた。
「好きな武器をとって」
「え?」
「分かりやすくて良いじゃん、気に入った」
ラセンはボールとおたまを手に取る。
「もしかして、これで戦う……とか?」
「うんっ。アリス、早く選べ!」
「不参加がいいんだけど……」
「ままごと格闘ごっこなのに……か?」
「うぅ……分かったよ。やればいいんでしょ……」
私は仕方なく、まな板とスプーンを取った。
スプーンは、何となく目に入ったから。
そういえば、おままごとでリンネがいつも持ってたんだっけ。
「じゃあ、あたしはコレね!」
日付が替わるまで、たくさん遊んだ。
途中、お風呂上がりのハルクもリンネに見付かって強制的に参加に。
結局は彼女が疲れて眠るまで“ままごと格闘ごっこ”は続いた。
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