Doll 14ーRipe fruit and spider line
ゆっくりとゴンドラは下へと向かい始める。
すると、リコリスさんの寝息が聞こえてきた。
私はそっと彼女を座らせる。
「……涙?」
リコリスさんは……眠ったまま泣いていた。
怖い夢でも見ているのかな……
「もう直ぐ、タスクさんに会えますから……」
その言葉に微かに反応を見せた。
彼女の為に必死なタスクさんも知っている──
互いに求め合うって、こういう事をいうのかもしれない。
リク……
私が求めたら、あなたも私を──
思いかけてやめた。
辛いだけだって、分かっているから……
「もう直ぐ、会えます……リコリスさん……っ」
二回もハルクに泣き顔は見られたくない。
だから必死に堪える。
花火だけが知っていればいい──
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