Doll 13ーCradle
「アリス」
背中に温かいものが触れた。
窓ガラスに映っていたのは、後ろからハルクに抱き締められている私……
鼓動が激しく波打つ。
頭は混乱する──
「な……にして……の?」
震える声でも、やっと言えた。
ハルクは答えずに目を伏せただけ。
「……ラセンに怒られちゃうよ」
「ワケ分かんねェ……けど、落ち着くんだよ」
「何よ……それ」
前に回された腕に恐る恐る触れて、静かに抱き締めた。
“落ち着く”……
それは私も同じだった。
もしかしたら、一心同体だからそう感じるのかもしれない。
「このまま時間が止まってほしい」そう思わずにはいられなかった──
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