Doll 13ーCradle
「次はアレがいい!」
遊園ランドを楽しむリンネは、いつも以上に子供だった。
私とセツナは彼女に振り回されながらも、それなりに楽しんでいた。
「行こう。アリスも」
手は何度か差し出された。
けど、一度も取る気にはなれなかった。
彼の気持ちには……答えられない。
「痛……っ」
一歩、踏み出したと同時にセツナの背中に鼻をぶつけた。
「セツナ?」
「──!」
何かを感じているのか、セツナの表情は青冷めていた。
「大丈──」
言い掛けた時には既に走り去った後で、私は一瞬で孤独になった。
ううん。
最初から私は孤独だったのかもしれない。
そう考えたら、気持ちが少し落ち着いた。
冷たい風が涙を誘うように頬を撫でていく。
「…………ふぇ……っ」
それが無性に悲しくなって、嗚咽が漏れる。
「リク」叫びたい気持ちを必死に抑えて……
一生懸命、笑顔を作った。
誰も見てなんかいないのに──
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