Doll 13ーCradle
「ハルクってば!」
「何だよ」
ハルクは不機嫌そうにラセンを横目で見る。
「あたし、怒らせるような事したか?」
「怒ってねェけど」
「嘘だ」
「オレのどこが怒ってんだよ!」
「アリスに会ってから変だ」
「アイツの名前を出すな……反吐が出る」
「……ゴメン」
ラセンはハルクの背中に抱き付く。
「あたしが怒らせた」
「別に怒ってねェ」
「……そうだな」
「何がそんなに不安なんだよ」
「……キスしてくれたら、モヤモヤは消える」
「くだらねェ」
そう言った彼の拳は小刻みに震えていた。
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