Doll 11-If a pain turns into strength
「おおぉぉぉおおおお……うぁ……くそぉ……っ」
「何だよ……お前、強いじゃねェかよ」
「え──」
「安心しろ……オヤジとは違うからよ。このハルク様が認めてやる」
そう言って、ハルクはリゼルにデコピンをした。
意識を失い、倒れるリゼルをハルクが支える。
「ハルク!」
私とラセンは二人に駆け寄る。
「もう、終わった」
と、リゼルの口から黒い煙が抜けて蒸発するように消えていく。
「見ろよ。コイツ、すげェ幸せそうな顔してやがる」
その頬を一滴の涙が伝い落ちる。
彼を縛り付けていた闇をも流れていくように感じた。
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