Doll 11-If a pain turns into strength




「父さん……どうしたんだよ!」
「ハァ……ハァァ……」
「リゼル、お前のせいなんだよ」


二人の足元、年配の女性が血を流して倒れていた。
彼女は微かに息をしている。


「俺と母さんに何の恨みがあるんだよ!」
「金と欲だ」
「何だよ、ソレ……」
「中学の次は高校だ? ふざけるな」
「え?」
「お前ばかり可愛がられて……」
「やめろォォオオ!!!」


男は女を何度も蹴る。
止めに入るリゼルもそれを受けていた。
鮮血が三人を赤く染めていく──


「……母さん」


次に映ったのは、お葬式。
遺影は年配の……リゼルの母親だった。

参列者はリゼル一人だけ──


「奥さんだけじゃなく、取調べにあたった警官までも……ねぇ」
「あの子も分からないわよ」
「同じ血が流れているもの」


何処からともなく聞こえてくる声。
リゼルは震える拳を握り締める。


「んな……一緒にすんなァ!!」


これは……リゼルの記憶?
痛いほどの悲しみが伝わってくる──



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