Doll 11-If a pain turns into strength
痛みに襲われながら精一杯、口を動かす。
「……お願い……やめ──」
「やらせる……かよ!」
遮ったのはラセンだった。
「雑魚ガ」
「あうっ」
ラセンは左手一本で地面に叩き落された。
「いっ……ハルクは……やらせ……な」
それでもラセンは手を伸ばし、リゼルの足を掴む。
「死に損ないのクセに」
「ラセン!!」
ラセンに向って手が振り下ろされた瞬間、私は走っていた。
「きゃあっ」
ラセンを庇い、その手を背中で受けた。
そして、そのまま地面に倒れる。
「痛……」
背中に激痛が走る。
「アリス……お前、バカか!」
「……ラセンに言われたく……ないよ……」
痛みは次第に感覚を失っていく。
「人間如きが……受けるなんて……」
「ラセンだって……同じでしょ……」
「私は……」
ラセンが何かを言い掛けた時だった。
全身が凄まじい殺気を感じた。
「邪魔スルナ」
リゼルが殺気混じりに私達を見下ろしていた。
彼の手はハルクの“心-イノチ-”を掴んで、握り潰そうとしていた。
「ダメ──」
「そこまで」
その声はリンネだった。
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