Doll 11-If a pain turns into strength




「タスクは遊んでほしくないのか?」
「帰ってきたら遊んでやるよ」


タスクはリンネの頭の上に手を載せる。
リンネは直ぐ様、その手を払う。


「タスクなんか嫌いだ」
「そんな事いうな、傷付くだろ」
「ふ~んだ」
「じゃあ、遊園ランドに行こうぜ」
「なにそれ」
「すげー楽しい場所」
「……あたしに今度は──」
「あるだろ、リンネ。自分から消すなよ」
「し、しかたないな! 行っていいよ」
「どーも」
「タスクさん、あの……」
「アリス、どした?」


振り向いたタスクさんの手に百合の花が見えた。


「リコリスさんの所ですか?」
「おう」
「そう、ですか……」


“嫌な予感がするから、行かないで”なんて言えない……


「あれからさ、あいつの顔色が良くなってる気がすんだ。もしかしたらって思ってんだ」
「昨日も聞きましたけど」
「そうだっけ? なっははは」
「気を付けて行ってきて下さい」
「ありがとな、アリス」


柔らかい笑顔を見せてタスクさんは出て行った。


「リクが戻ってきたら浮気と言いつけちゃおっかな」


その言葉に心臓が跳ね上がる。


「あははっ、言われたくなかったら遊んでよ」
「もう……」


と、振り向いた瞬間だった。


ドン──


「ぁぁあああ──」


衝撃音と共に聞こえたのはラセンの悲鳴だった。



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