Doll 11-If a pain turns into strength




「リンネ、遊ぼうよ」
「そんなに遊んでほしいわけ?」


文句を言いながらもリンネは嬉しそうだった。


「オレっちとハルクも入れろ~」
「何でオレまで……」
「もんく言ったからハルクはペット役よ」


リンネは、人形遊びとおままごとが特に好きで。
お菓子の作り方を教わりに来る事もあった。
誰が見ても普通の子供にしか見えなくって……


「アリスとばかりじゃつまんないでしょ?」
「ラセンとセツナも遊んで欲しいのか?」
「あぁ、子供は嫌いじゃない」


ラセンとセツナと遊んだりもしていた。
格闘技で遊ぶのは、あの兄妹らしいと思いながら。

そんなある日だった。


「はい、もしもし」
『よォ……アリス』


聞きたくない声だった。


『ハルク、いんだろ?……出せ』
「居ない……」


私は嘘をついた。
ハルクをあんな目にあわせた本人……リゼルだったから。


『ああ、そうかい』


電話は切れた。
……嫌な予感がする。



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