Doll 11-If a pain turns into strength




リンネは言った。
“7歳まで生きられない”それは私とハルクのせいだ、と。
それ以上は語ろうとはしなかったし、聞いてはいけない気がした。

ただ、私達を操る事が出来たのは、心の隙間があったからだって言っていた。
確かArice・Dollも……
でも、敵ではない気がする。
“死にたくない”って言っていたから、かな。


「リンネは生きたいんだよね?」
「死にたくて生きてる人なんかいるわけないじゃない」
「そうだね」


あと1ヵ月。
彼女は7歳になる。


「気持ちを強く持とうよ。もしかしたら──」
「運命は変えられないもの」
「誰が決めたの?」
「……しかたないことだって」
「自分で決めちゃったら進まないよ」
「どうして、アリスはそんなことを言えるの?」


私はリクの事をリンネに話した。
諦めたくないって事を──

途中、リンネが言った「ハルクを好きだって思ってた」と。
あの時のキスの意味が分かった気がする……
リンネなりの優しさだったのかもしれないけど、私は……胸が凄く痛かったんだよ。

話し終えて横を見ると、彼女は寝息を立てて眠っていた。
寝顔を見ると、切なくなる。

まだ、こんなに小さいのに──

1ヵ月後を一緒に越えよう。
辛い運命なら、逆らったっていいよね。



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