Doll 10-Sweet fruit be violated in an evil design
「……ハルク?」
名前を呼んだ瞬間、強く腕を掴まれた。
そして、そのままハルクは走り出す。
「ねぇ、何処に行くの──?」
ハルクは答えない。
暫くしてハルクは足を止める。
橋の上だった。
下を見ると、川の流れが速い。
「ハル」
言い掛けた言葉はハルクの唇によって塞がれた。
キス……何で──?
「こんな思い出でいい?」
ハルクが言った。
「何……それ……ふざけないでよ」
「あたしは真面目だよ」
「ハルク……?」
ハルクが別人のように感じる。
「バイバイ、アリス」
トン──……
突き飛ばされて体が宙に浮く。
視界に入ったのは青い空だった。
「きゃぁぁあああ──」
「ざまーねぇな。クク……助けられた男に、なァ?」
間一髪、誰かに腕を掴まれた。
顔を上げて、その人物を見る。
「リゼ……ル?」
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