Doll 9ーThe day when she was broken
「なに……やってんだよ……」
タスクさんが怒りで体を震わせながら立っていた。
彼の足元には百合の花束が落ちている。
「リコリスに何をした?」
私とハルクは答える事が出来なかった。
「リコリスに……何をしたァァアアア!!!」
狂気と共にタスクさんはハルクを何度も殴りつける。
“止めなきゃ”
思うのに体が動かない──……
次第に体が痛みを感じる。
ハルクの痛みと思わずにはいられなかった。
「がっ──」
と、ハルクが地面に叩きつけられて倒れる。
タスクさんの持ってきた百合は、踏まれてぐちゃぐちゃな上にハルクの血で染まっていた。
「ハル……」
言いかけて言葉が止まる。
タスクさんが死んだ目で私を見つめている。
「次はお前」そう言っているようだった。
「やめ……」
ハルクが起きようとした時、タスクさんの顔が目の前にあった。
恐怖に目を瞑る。
「──タスク」
その声に目を開ける。
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