Doll 9ーThe day when she was broken




「アリス。ちょっといい?」


タスクさんに呼ばれ、私は部屋を出る。


「何ですか?」
「……リコリスの声が聞こえないんだ……早くしないと、早く……」


ガタガタと震えながらタスクさんは言った。


「落ち着いて下さい」
「リコリスがいないと、オレっちは──」
「タスクさん?」


何かの糸がぷつりと切れたようにタスクさんは気を失って倒れた。

リコリスさんの事を話したくて呼び出したわけじゃないと思う。
何となくだけど……



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