Doll 8ーGirl of time




「……誰?」
「……リンネ」


少女は怒りを押し殺すように言った。


「リンネ?」


聞いた事のない名前……
どうやらハルクも知らないらしい。

この子はきっと、私を誰かと間違えてるんだ。
でも……さっき私達の名前を──


「きやすく呼ばないでちょうだい!」
「ご、ごめんなさい」
「何で謝ってんだよ」
「だって……」


私とハルクのやり取りを見て、リンネという少女は大きな溜め息をつく。


「やっぱり、あなた達キライだわ」
「え?」
「お生憎様。オレもガキは嫌──」
「ダイキライよ……なんで、あたしが……」


その言葉は禍々しさを纏っていた。


「お前、Arice・Dollの──」
「出来れば二度と会いたくないわ」


と、少女は踵を翻して闇に消えていく。
暫くすると、どこか遠くで雷が鳴った。





Doll 8ーGirl of time....END....
12/12ページ
スキ