Doll 8ーGirl of time
「……誰?」
「……リンネ」
少女は怒りを押し殺すように言った。
「リンネ?」
聞いた事のない名前……
どうやらハルクも知らないらしい。
この子はきっと、私を誰かと間違えてるんだ。
でも……さっき私達の名前を──
「きやすく呼ばないでちょうだい!」
「ご、ごめんなさい」
「何で謝ってんだよ」
「だって……」
私とハルクのやり取りを見て、リンネという少女は大きな溜め息をつく。
「やっぱり、あなた達キライだわ」
「え?」
「お生憎様。オレもガキは嫌──」
「ダイキライよ……なんで、あたしが……」
その言葉は禍々しさを纏っていた。
「お前、Arice・Dollの──」
「出来れば二度と会いたくないわ」
と、少女は踵を翻して闇に消えていく。
暫くすると、どこか遠くで雷が鳴った。
Doll 8ーGirl of time....END....
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