Scared Hero




満ちた月が雲に隠れた時だった。


「がぁぁっ!」


リクが体を仰け反らせ、体を震わせる。
そして瞳が血を帯びていく。


「おい──」


空気が渦巻き、冷気を放つ。


「リク……?」


俺の声に彼は微かな反応を見せ、ゆっくりと起き上がる。

リクは……眼鏡をつけていない。
代わりに異様な邪気を纏っていた。


「まさか……これが、Arice・Do──」
「気安く呼ぶな、カマ」
「かっ、カマ?……初登場の第一声がソレかよ!そもそも、カマじゃねぇ!!」











〈Scared Hero〉











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