1章
あなたの名前
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『中佐、一体どちらに?』
スタスタと、俺の前に立ち歩いて行くキンブリーに軍部を出たところで声を掛ける。
ピタリと立ち止まり、こちらを振り向くキンブリー。
「食事も取らずに仕事する必要なんてないでしょう?」
『食事…』
ぽかんと口が開く。
まさかとは思うが、俺の腹の音が原因だろうか。
至らぬ気を使わせたのだろうか。
しかしよく考えずとも、相手はキンブリー。
そんな紳士的な優しさを俺に無駄遣いするとは到底思えない。
身を翻し歩き出すキンブリーに苦笑した。
『それで、どちらに?車まわしてきます。』
「結構ですよ。歩いた方が早い。」
『場所近いんですか?』
キョロキョロと周りを見渡すと、昼時の為か人が多い。
確かに近ければ車より歩いた方が早いだろう。
少し小走りしキンブリーの横に並ぶ。
そうしなくては見失いそうだったし、キンブリーの声が聞き取りやすい。
まあ真っ白なこの男を見失うなんて事、無いだろうが。
「貴方の方が詳しいでしょう」
『俺が?』
えぇ。と俺の顔を見てくるキンブリー。
どこだろうかと悩む。
この辺りにはレストランや食堂が多くいまいちピンと来ない。
…ん?レストラン?
『…もしかして』
「なんです?」
まさか。と背中を汗が伝う。
この道は、真っ直ぐ行けば確かに俺の詳しいレストランがある。
だが、そこは、
「確か、海鮮パスタがお薦めらしいですね。」
ローザンヌの真っ赤になった顔が浮かんだ。